40年余りを広告会社で過ごしてきましたがビジネス本が好きになれずに避けていました。それでも30年前にはコトラーを、20年前にはドラッカーを仕方なく手にした程度で、どちらにしても真面目な読者ではありませんでした。
ビジネスの日常に役立つような実践的なものではなく、広告研究会の学生がマーケティングやコミュニケーションをテーマにディスカッションする時の材料か広告マンがあまり親しくないクライアントに知ったかぶりしてサワリを披露する時に使うものと思い込んでいました。
最近になって「セブンチャート仕事術」に出会って「しまった!」と後悔しました。チャートを読むとどんな立場のビジネスマンでも日々役に立つ極めて「実践的」なものに思えたからです。誤解していました。もっと早く出会っていたならドラッカーの著書にもちゃんと向き合ったかもしれません。
この例えはドラッカーに倣いますが戦争の時の一兵士のようにビジネスの現場で判断に迷ったり上司や組織を頼れなかったり、即座にモノゴトを決めなければならなかった時にも今思えばもう少し気の利いたディシジョンができていたかもしれません。現在の私はほぼ年金生活者ですので、人生を一層楽しく改善できるような創造力やアイデア(イノベーションを私はアイデアと解釈するようにしています)が必要でリスクを減らした無駄のない生活のための生産性の問題、判断や決定の手順、予期せぬ成功や不測の事態に直面した場合のヒントなど、その思考手順はとても役立つように思います。
このチャートは若過ぎるビジネスマンには腑に落ちない部分もあるかもしれません。何故なら、人生をある程度経ないと理解しづらい人の気持ちの機微や心理がベースとなることも多いからですが、そうした枝葉の問題を超えて私達日本人とドラッカーの間に「セブンチャート仕事術」があることで、その理解に一層の親しみと深みを与えることは確かだと思います。